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パキポディウム・ブレビカウレ | まるで岩!?愛嬌溢れる塊根植物

 

パキポディウム・ブレビカウレ | まるで岩!?愛嬌溢れる塊根植物

パキポディウム ブレビカウレ 恵比寿笑い

 

植物の基本情報

  • 和名:恵比寿笑(えびすわらい)

  • 学名:Pachypodium brevicaule

  • 科・属:キョウチクトウ科 パキポディウム属

  • 原産地:マダガスカル中部、イトレモ山地周辺(標高1,400~2,000mの高地)

  • 特徴:扁平な株姿、成長が非常に遅い

特徴と魅力

恵比寿笑いの第一印象は「岩のような植物」または「巨大なショウガ」。自生地では花崗岩の上や岩場に張りつくように育ち、葉を落とした姿は遠目には石ころと見間違えるほどだそう。学名の「brevicaul」には「短い茎」という意味があり、その名の通り極端に短い枝と扁平な塊根部が特徴です。

しかし、無骨な見た目の中に秘められた美しさもあります。春に黄色の花を咲かせる姿は、見応え十分。

また、希少な変種「Pachypodium brevicaule var. leucoxanthum」では白花や黄花を咲かせる個体も知られており、コレクター心をくすぐります。芸術的なフォルムと繊細な花のコントラストが、恵比寿笑いの魅力です。

成長過程や季節ごとの変化

成長速度はパキポディウムの中でも特に遅く、直径が1m近くに達する大株になるには長い年月を要します。

  • :新芽が展開し、葉が広がると同時に花をつけることもあります。成長期の始まりです。

  • :日本の高温多湿は苦手で、生育が一時的に鈍ります。休眠に近い状態となることもあります。

  • :再び成長期に入り、春に続いて水やりや施肥が可能なシーズンです。

  • :気温の低下とともに葉を落とし、完全休眠に入ります。この時期はほぼ断水にで管理します。

現地株(輸入株)は日本の蒸し暑さに適応できず枯れてしまうことも多いですが、日本国内で実生された株は比較的環境に順応しやすく、栽培も安定します。

育て方

年間を通して日当たりの良い場所を好みます。直射日光をしっかり当てることで株が締まり、恵比寿笑い特有の扁平な姿を保ちやすくなります。日照不足は徒長や根腐れの原因になるため要注意です。

・春・秋(成長期):用土が完全に乾いてからたっぷり与えます。

・夏:蒸れやすいため控えめに。過湿は根腐れの原因となります。

・冬:落葉後は断水が基本。新芽が出るまではほぼ水を与えない方が安心です。

排水性の高い用土が必須です。赤玉土や軽石をベースに、有機質は少なめにブレンドすると良いでしょう。

温度

低温には比較的強いものの、5℃前後になる場合は室内に取り込んで管理します。

肥料

元肥として緩効性肥料(例:マグァンプK)を少量混ぜ込むか、成長期に薄めた液肥を月1回程度与えます。肥料の与えすぎは徒長の原因になるため注意が必要です。

 

育てる際の注意点

  • 蒸れに弱い:風通しの悪さは害虫(特にカイガラムシ)発生の温床になります。

  • 過湿は禁物:水の与えすぎは根腐れの原因になります。

  • 肥料過多に注意:株姿が崩れ、独特の扁平なボディを損なう恐れがあります。

  • 現地株と国内実生の違い:現地株は環境変化に弱く、日本では活着に失敗することも多いです。初心者は国内実生株から始めるのがおすすめです。

 

雑学コラム

恵比寿笑いという和名は、ふっくらとした塊根と愛嬌ある姿から名づけられました。その響きも相まって、日本の愛好家の間では古くから人気があります。

また、パキポディウム愛好家の間で有名なのが「3年目のジンクス」。特に現地株は導入から数年で枯れてしまうことが多いとされますが、恵比寿笑いに関しては「1〜2年目のジンクス」とも言われるほど繊細です。この試練を乗り越えてこそ、岩のようにどっしりとした株に育っていきます。

さらに、自生地での姿は「岩と見間違う植物」として紹介されることも多く、マダガスカルの自然うまく溶け込んでるようです。

 

まとめ

パキポディウム・ブレビカウレ(恵比寿笑い)は、無骨さ愛嬌を併せ持つ最高の塊根植物です。育成にはやや難しさが伴いますが、環境を整えればそのユニークな姿と美しい花を楽しむことができます。

「岩のような植物」に見えて、実は春に美しい花を咲かせる――。そんなギャップこそが、恵比寿笑いの最大の魅力です。

初心者は国内実生株から始め、少しずつ栽培のコツをつかんでみると良いでしょう。挑戦の先に待っているのは、唯一無二の芸術作品のような一鉢。じっくり時間をかけて向き合う価値のある植物です。

 

関連記事:パキポディウム・グラキリスの魅力|育て方は?管理法と注意点。

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