パキポディウム・ナマクアナムの開花記録|栃木の冬を越えて咲かせるまでにやったこと
「ナマクアナムって、本当に花が咲くの?」
この問いに自分の答えを出せたのが、育て始めてから2〜3年が経ったころのことでした。
塊根植物の中でも異彩を放つ存在で、「光堂(ひかりどう)」という流通名でも知られるパキポディウム・ナマクアナム。鋭い棘と白い幹、独特な樹形……見た目のインパクトは抜群なのに、実際に花を咲かせたという情報はまだ少ない植物です。
今回は、実際に開花させた経験をもとに、冬の管理方法から開花までの流れをまとめてみます。環境が全く異なれば結果も変わってきますが、どなたかの参考になれば嬉しいです。
パキポディウム・ナマクアナムってどんな植物?
南アフリカからナミビアにかけての乾燥地帯に自生するパキポディウムの一種で、他のパキポディウムと比べると「冬型寄り」の性質を持っています。成長はゆっくりですが、環境が合ってくると一気に存在感を増していく植物で、長く育てるほど味が出る、そういう植物だと思っています。
開花した株のサイズ感
開花を確認したのは、育成開始から2〜3年ほど経過した株でした。サイズはミニ蘭鉢4号程度、手のひらにのるくらいの大きさです。
同じ環境で管理していた小さな株は開花しませんでした。ある程度の株の大きさと体力が揃わないと、花を咲かせるところまでエネルギーが回らないのだと思います。
つぼみを確認してから開花まで
最初につぼみを確認したのは1月の下旬のことでした。そこから実際に花が開くまでに、およそ3〜4ヶ月かかっています。
「開花した!」と感動する瞬間までに、思いのほか長い時間をかけてじっくり準備していたわけです。急がせようとしても無駄で、植物のペースに付き合うしかない。そのあたりもナマクアナムらしいなと感じました。
冬の管理で意識したこと
今回の経験で最も大きかったのは、「冬でも成長を止めない」という方針を徹底したことだと感じています。
温度管理
栃木県という環境柄、外気温は冬に−7℃、寒い年には−10℃近くまで下がります。そのため、ビニールハウスを使って夜間は10℃以上をキープ、日中は25〜30℃前後を目安に管理していました。
ただし、ハウスは油断すると昼間に40℃近くまで上昇することもあります。温度が上がりすぎる点も、寒さと同じくらい気をつかうポイントです。
光のあて方
ハウスの中でも、朝日がしっかり当たる場所に置いていました。冬の間は遮光なし。ビニールが二重構造なので多少は光量が落ちますが、それでも「強めに光を当てている」と言える環境でした。ナマクアナムは光が好きな植物だと感じます。
水やりのペース
葉がしっかりついている間は、思いのほか水を欲しがります。晴れが続く時期は2〜3日に1回、天気が悪い時は5日〜1週間に1回ほど。土がしっかり乾いてから与えるのは大前提ですが、乾かしすぎも禁物という感覚でした。
肥料と活力剤
固形肥料に加えて、ハイポネックスを1000〜2000倍程度に薄めた液肥を月2~3回ほど施しました。さらにリキダスやXエナジーといった活力剤も併用しています。
開花させるためには、やはり株に体力を蓄えさせることが大切だと実感しています。肥料はその一番の土台になる部分です。
「冬型」という表現について思うこと
ナマクアナムは冬型と説明されることが多いですが、実際に育てていると「完全な冬型」とは少し違う印象を受けます。
秋から春にかけてよく動く一方で、日本の真冬は少し寒すぎることもあるようです。逆に真夏も環境によっては停滞気味になります。「涼しい時期に調子がいい植物」というほうが、肌感覚に近い表現かもしれません。
また、通年葉を維持する株もあれば、冬にすっかり落葉する株もあります。個体差がかなり大きいので、「うちの株は違う動きをしている」という場面も珍しくありません。
それでも、開花は気まぐれ
正直に言えば、同じような管理をしていても、咲く年もあれば咲かない年もあります。つぼみがついたのに落ちてしまうこともある。温度・光・水・肥料・活力剤・株のサイズ、いくつもの条件が重なってはじめて開花につながるのだと感じます。
だからこそ、花が開いた時の感動は格別でした。「あのじっくりとした時間が、この一輪につながったのか」と思うと、なんとも言えない気持ちになります。
まとめ
今回の経験を振り返ると、夜間の温度を10℃以上にキープしたこと、冬でも積極的に光と水と肥料を与えたこと、株に体力をつけさせることを意識したこと、このあたりが開花につながったポイントだったと思っています。
もちろん、これが正解というわけではありません。環境も株も違えば、最適なアプローチも変わってきます。
今後は受粉にも挑戦してみる予定なので、もし種が採れたら、その過程もまた記録していきたいと思っています。ナマクアナムの面白さは、まだまだ続きそうです。
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