陶器鉢ができるまで|本焼きの3つの種類【酸化・還元・炭化】を紹介します
陶器鉢がができるまで|本焼き編
こんにちはMs‘+わたなべです!
以前の記事( 陶器鉢ができるまで|素焼きと本焼き )
で陶器鉢ができるまでには2回の焼きがあって、
素焼きと本焼きに分けられるということを書きました。
今回はその続編ということで本焼きをさらに詳しく見ていこうと思います。
ここから少し聞きなれない言葉が出てくることが増えるかもしれませんが、
なるべく簡単な言葉にして説明できたらと思います。
実は僕も本などを読んで勉強したときはなかなかイメージが湧かず、
理解しにくい部分も多かったのです。
でもここを理解できるとさらに面白い陶器鉢の世界を知ることができるようになります。
簡潔に分かりやすくを心がけてまいりますので是非最後までお読みください。
本焼きは【酸化・還元・炭化】の3種類
本焼きをざっくりとグループ分けするとこの3つに分類できます。
・酸化焼成 (さんかしょうせい)
・還元焼成 (かんげんしょうせい)
・炭化焼成 (たんかしょうせい)
です。
次にこの3つをひとつずつ説明します。
抑えて置いてはしいポイントは明記しておきますので、そこだけでも是非覚えていってください!
酸化焼成
まずは酸化焼成です。
酸化焼成とは窯の中に酸素が多い状態で焼く方法のことです。
今の段階では、そうすることで素地(土)や釉薬に含まれる成分が
酸素と結びつく(酸化)ということだけ抑えておいてください。
ガス窯や薪窯(まきがま)などの炎を使う窯の場合は、
燃料を完全燃焼させるために十分な量の酸素を供給する必要があります。
また、もともとガスや炎を使わない電気窯での焼成も酸化焼成となります。
還元焼成
次に還元焼成です。
還元焼成は先ほどの酸化焼成の逆と覚えてください。
つまり、窯内に送り込む酸素の量が少ない状態で焼く方法のことを言います。
なぜそんなことをするのかというと、これも酸化焼成と反対の意味があります。
それは、素地や釉薬に含まれる成分と酸素を結合させないためです。
これによって酸化焼成とは違った表情の焼き物ができるというわけです。
還元焼成を詳しく説明すると一酸化炭素濃度や炉内圧力などの要素が関係してくるので、
今は簡単にこの程度に覚えていただければと思います。
炭化焼成
最後は炭化焼成です。
炭化焼成とは読んで字のごとく、素地や釉薬に炭素をくっ付ける焼き方です。
薪窯(まきがま)では燃えた薪が炭になりそのまま炭化焼成させる方法や、
電気釜では作品と炭を同じサヤ(入れ物)に入れて焼くことによって炭化焼成させたりします。
陶器鉢において炭化焼成はよく使われる技法なので目にする機会は多いと思います。
本当に炭のように真っ黒なものから、茶色っぽいものまで幅広いバリエーションがあります。
まとめ
以上がざっくりとした本焼きの3つの種類になります。
では最後に超簡単にまとめます!
・作品に酸素を結合させるのが酸化焼成
・作品に酸素を結合させない(作品から酸素を奪う)のが還元焼成
・作品と炭素とをくっ付けるのが炭化焼成
です。
この最後の3行だけでも覚えておいていただけると嬉しいです。
これがわかっていると、応用的な知識を覚える際の土台になります。
焼成は今回のこの記事だけではとても書ききれる内容ではないので、
今後も定期的に焼成に関する記事を書いていこうと思います。
この記事を読んで少しでも皆様が陶器鉢を見るときに楽しむことができるようになればうれしいです。
今回の記事は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。
では、よい園芸ライフを!
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