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パキポディウム グラキリス (Pachypodium gracilius)

ずんぐりとした形が特徴のパキポディウム・グラキリス。

原産地はマダガスカルのイサロ国立公園。

気候は雨季と乾季の2つの明確な季節があり、乾季は40度を超え降水量は極端に少なくなる。

一方、雨季は日本の梅雨に近いほどの降水量がある。

パキポディウムの名前の由来はギリシャ語の「pachys(太い)」と「podion(足)」に由来している。

「gracilis」はラテン語で「細い」を意味し、葉の特長を表している。

和名は象牙宮(ぞうげのみや)。

グラキリスはロスラーツムの亜種の一つとなっており、正確には

「Pachypodium rosulatum var. gracilius」という表記になる。

雨季と乾季の両極端の環境はグラキリスを独特な形状に進化させた。

ずんぐりとした塊根部には水を蓄えており、厳しい乾季の間も生き抜くことが出来る。

現地では大株になると塊根幅1メートルほどにもなり圧倒的な迫力である。

残念だが日本の気候ではそのような大株にすることはかなり難しく、できたとしても果てしない年月を要するだろう。

塊根部は質感はツルツルなものからマットな質感のものまであり、色味はグレーが基本だが赤や緑味を帯びたものまである。

形も一つとして同じものはなく、この個性こそがコレクター心をくすぐってやまないのだろう。

 

日々の管理

基本的には夏(梅雨明け~10月前半ごろまで)を除いて直射日光が良く当たり、風通しの良い場所においてやる。

夏は塊根部が焼けてしまうことがあるため20~30%の遮光をしてやる。

水やりは塊根部のしぼみ具合を見てタイミングよく行う。

基本的には塊根下部にシワが寄り、株が痩せたように見えたらたっぷり与える。

通常、健康であれば水やり後1日で株がパンパンになる。

2~3日してもしぼんだままの時は極度の根詰まりや根腐れが起きている可能性があるので急いで対処する。

実生1~2年の株はあまり水を貯える力がないので、株が痩せ始める前にどんどん水をやってしまった方が枯れるリスクは少なく早く成長させることが出来る。

しかし、この場合も土が常時湿っているのは良くないので、用土がしっかり乾いたことを確認してから水やりする。

春~秋にかけて月に1回液体肥料(ハイポネックスなら1000~2000倍)を与える。

または春に緩効性の固形肥料(プロミック等)を与える。植え替えは新芽が動き出す前(3月ごろ)に行う。

根はデリケートなため、あまり崩さないようにする。

他の植物に関しては植え替え時期はあってないようなものいう感じの植物も多いが、グラキリスに関しては季節に敏感なのと、植え替え後の根のコンディションが上がってくるまで多少時間がかかることがあるので植え替えは計画的に行った方が良い。

剪定は基本的に行わないが、傷んだ枝や、どうしても形を整えたいというときに限って剪定してもよいだろう。

その際はしっかりハサミを消毒して行い、剪定後は傷口がしっかり乾燥するまで日陰で管理する。

また実生の場合は6か月後くらいから脇芽がちらほら出てくるものもある。

そうした目はなるべく早くに選定してやると綺麗な丸い塊根になりやすい。

休眠期は最低気温5度を下回らない日当りの良い環境で管理する。

多くの場合、室内で管理することになると思うが、その場合は「葉が完全に落葉してから」屋内に取り込む。

黄葉~落葉までの期間はかなり個体差があるが、関東の場合で11~12月上旬である。

水やりは黄葉が始まった頃から徐々に頻度が落ちてくると思うので、完全に落葉するタイミングで用土が湿っていないように気を付ける。

現地での冬の平均最高気温は25℃くらいである。

室内ならあまり気を付ける必要はないが、ハウス管理などでは日中かなり高温になることがあるので気を付ける。

水やりは2週間に1回、表土が軽く湿る程度行う。

これは根の保湿のためなので1日で完全に乾くくらい少量でOK。

これを行わないと冬の間に根がカリカリになってしまい、翌春の芽吹きが悪くなるといったことがある。

実生2年以内の株に関しては、なるべく春~秋の環境と同じように管理し、休眠させないように管理したほうが安心である。

 

memo

・春から夏にかけて黄色い花を咲かせる。

・雌雄同株だが自家不和合性なので種を採るには2株必要(他家受粉させる必要あり)。

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