基本用土の「特長&性質」まとめ
海外の塊根植物、多肉植物、灌木類は基本的に水はけが良い弱酸性(pH6~6.5)の用土を好みます。
また園芸において理想の土の比重は約0.5(同じ体積の水の半分の重さ)と言われています。
しかし、単に水はけが良いだけではなく、保水性や保肥性も大切になってきます。
単用土の性質を理解しておくことで、植物の状態に応じて臨機応変に環境を整えてあげることが出来ます。今回のブログでは代表的な単用土それぞれの特長をまとめました。
赤玉土
pH6
比重0.7
主な産地:栃木県鹿沼市(関東ローム層、男体山の噴火による)
特長:保水性、排水性、通気性、保肥力、満遍なくパランスのとれた土。(栄養分はゼロ)ただし、コーデックスや多肉植物においては少し水持ちがよすぎるので、他の用土を足して調整する。2~3年ほどで崩れて目詰まりを起こしやすい。赤玉に含まれるアルミ・鉄が肥料分のひとつであるリン酸(花、実の栄養)と結合してしまう。赤玉土を焼いた焼赤玉土は硬いので崩れにくく、かなり長持ちする。しかし、硬ければよいかというと必ずしもそうではなく、根の弱い植物などには合う合わないがある。保肥性はそこそこ良い。
日向土(軽石)
pH6.5
比重0.5
主な産地:宮崎県南部(桜島・霧島山の噴火による)
特長:多孔質なため排水性、通気性が良い。非常に硬く崩れにくい為、長期間使用することができる。多肉、塊根界隈では赤玉単体の排水性を向上させるために混ぜ込んで使うことが多い。
個人的には発根管理や実生の際に重宝している。日向土はボラ土の一種なので、特性上ボラ土と同じ。ただし、一般的に販売されているボラ土よりは高品質といった感じ。
保肥力はほぼない。
鹿沼土
pH4.5
比重0.4
主な産地 栃木県鹿沼市(主に赤城山の噴火による)
特長:排水性、通気性は赤玉土より良い。大きな違いは比重が軽く、pHがより酸性という点。赤玉同様、硬質タイプもあり、粒がそろっていて崩れにくいので通常タイプよりオススメ。
実は鹿沼土は採土直後は赤玉並のpHだが使用後徐々に酸性に傾いていく。正確なメカニズムは分かっていない。
ゼオライト
pH7
比重0.7
主な産地:日本海側にかけて分布する緑石凝灰岩から採掘される目に見えないほど小さな穴が開いた「多孔質」構造をもっており、これが様々な効果和発揮する。土の中で発生する有害ガスや水の汚れを吸着し、根腐れを防止してくれる。園芸のみならず、アクアリウムや工業施設など幅広い場面で活用されている。
パーミキュライト
pH6 比重0.2
蛭石という雲母を高温焼成して膨張させたもの。雲母とは薄い層が幾重にも重なった構造で、膨張するとアコーディオン上に膨らむ。結果、その隙間に多くの水分を保持することができる。
保水性をアップしたいとき用土に混ぜると良い。メリットでもありデメリットともなるのが非常に軽いという点。また一度完全に乾くと、水やりの際の水馴染みはあまり良くない。
ピートモス
調整済 pH6.2
無調整 pH3.5
比重0.2
植物が長い時間かけて堆積し、泥炭化したもの。有機質なので腐葉土に似た性質を持ち保水性、保肥性がある。pHは調整済のものと無調整のもので変わってくる。調整済みのものは手持ちの用土に加えても大きくpHを崩さないという良さがある。無調整のものはpHを酸性に寄せたい時に重宝する。
燻炭
pH9
比重0.2
要するに炭。木材燻炭、もみ殻燻炭など原材料の違いによって数種類ある。特徴として水質浄化や根腐れ防止、防臭効果がある。pH9とアルカリ性が強いので用土に混ぜるときは入れ過ぎに注意する。
黒曜石パーライト
pH7(基本的に中性、弱アルカリ性のものもある)
比重0.1
ガラス質の火山岩を超高温で焼いたもの。その際に水分が蒸発して多孔質構造ができる。通気性、排水性が非常に高いが、保水性、保肥性ほぼなし。とにかく軽いので用土を軽量化できる。
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