陶器鉢の表面にヒビが!?|それ貫入(かんにゅう)って言います!
貫入はヒビだけどヒビじゃない|鉢の耐久性には問題なし!
突然ですが皆さんは貫入(かんにゅう)という技法をご存じでしょうか?
貫入とは陶器の表面に見られるもので、釉薬に亀裂が入って模様のようになったものです。
陶器鉢に限らず、お茶碗やお皿などにも使われることが多い技法で、目にしたことがあるという方も多いと思います。
初めて見た方はヒビが入っていると思ってしまうこともあるかもしれません。
実際に私も子供の頃、実家のお皿に入っている貫入を見てヒビだと思っていました笑
しかし、貫入が入っているのは表面の釉薬のみなので、そこから鉢自体が割れてしまうという心配はありません。
釉薬の下の素地までヒビが入っているというわけではないんですね!
そんな貫入ですが作品の表情を豊かにしたり、アンティークな雰囲気を与えてくれます。
貫入が入る仕組み|キーワードは収縮率
さて、様々な表情で作品を彩ってくれる貫入。その貫入がどのようにして出来上がるのか。その仕組みを見ていきましょう。
ポイントとなるのは素地(陶土)と釉薬の収縮率の差です。
陶器は焼成後の冷めていく段階で僅かながら収縮します。
その時に素地と釉薬ともに収縮するのですが、釉薬の収縮率の方が大きいと貫入が入ります。
イメージとしては、池などが干上がった後にできる泥の亀裂を想像してもらうと分かりやすいと思います。
泥が釉薬で、さらにその下の地面が素地です。
泥が乾燥してい収縮していくときに、下の地面は収縮しませんよね?
つまり泥(陶器でいう釉薬)の方が収縮率が大きいので亀裂が入ります。
ありえないことですが、この時に地面も泥と同じように収縮すれば理論上亀裂は入りません。
何となくイメージできましたかね?
言い換えると、貫入の入っていない陶器というのは、素地と釉薬の収縮率がほぼ同じということです。
身近なところでいうと、皆さん毎日お使いのトイレの便器がそうです。
あれは素地と釉薬の収縮率が精密に計算されたれっきとした陶器です。
便器に貫入が入っていたら何となく嫌ですよね笑
このように素地と釉薬の収縮率の差によって貫入が入るのか入らないかが変わってきます。
収縮率の差が大きすぎても釉薬が剥がれてしまったり、小さすぎても貫入が入らなかったりするのです。
この微妙な加減が難しいところで、作家さんそれぞれに個性が現れていておもしろいところでもあります。
まとめ
普段何となく見ていた貫入も、実は奥が深く作家さんの試行錯誤によってできているのがお分かりいただけてと思います。
このことを知っているだけで貫入を見たときの感じ方も変わってくるのではないでしょうか。
ときに繊細に、ときに荒々しく、様々な表情に鉢を彩ってくれる貫入。
同じ亀裂の入り方のものは一つとしてないというのも貫入の魅力です。
皆さんのお持ちの陶器鉢に貫入が入っているものがあれば、是非観察してみてください
きっともっと愛着が湧いてくるはす!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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