陶器鉢に用いられる技法|釉薬と装飾
今回は焼き物によく使われる技法や名称、釉薬など基本的な内容を紹介できればと思います。
ひとつの焼き物でも完成までのストーリーやその技法に隠された狙いなどを想像しながら
見れるようになるととても面白いですよ!
釉薬
釉薬とは焼き物に色を付けるための液体です。
ガラス質を含んでいて高温(1200度以上)で焼くことによって、
溶けたガラス質で焼き物表面を覆いツヤや耐久性を待たせることができます
灰釉(かいゆう)
灰釉とは読んで字のごとく「灰」で作られる釉薬です。
主に樹木を原料としており、アカマツや杉、藁などが使われます。
数種類の灰をミックスしたものは「土灰釉」と呼ばれます。
優しく素朴な色味で、陶器鉢に使うと上品な印象の仕上がりになります。
黄瀬戸釉
瀬戸発祥の釉薬で、もともとは青磁(せいじ)を表現しようとしたところ黄色い発色になってしまったことがこの釉薬の始まりです。
偶然から生まれた釉薬で、現在でもそれを綺麗に発色させるのは大変難しく、熟練の技術が必要とされます。
質感光沢の出る釉薬
マンガン釉やラスター釉などと言われることも多いですが、
それぞれの作家さん独自の成分や調合レシピが存在しており、個人的には特に惹かれる釉薬です。
近年の陶器鉢によく使われる釉薬で高級感と独特の渋さがあります。
織部釉(おりべゆう)
主に緑色の釉薬のことを織部と言います。
陶器鉢にはあまり見かけない色ですが、茶器などにはよく使われる釉薬です。
自然釉
窯の質が良くなり1200度以上の焼成が可能になると、素地のケイ素と
灰のアルカリ土が反応して自然釉となります。
伊賀焼に見られる青いビードロ釉などが有名です。
焼き締め
焼き締めとは釉薬を使わずに焼き上げることです。
完成したものはザラっとした質感で、土の風合いをより感じられるものとなります。
陶器鉢にも焼き締めのものは多く、多孔質で水はけ通気性が良いことから植物の生育にも良いです。
炭と一緒に焼き上げることによって黒い色を付ける「炭化焼成」も焼き締めの技法のひとつです。
装飾
陶器鉢をより華やかに、より個性的な作品へと変化させるのが装飾です。
作家さんごとの個性が現れるので見ていてとても楽しいです。
全ては紹介しいきれないので、陶器鉢に使われることの多い技法に絞って紹介していこうと思います。
しのぎ
日本の伝統的な技法で、焼成前の半渇きのタイミングでカキベラなどを使って鉢の表面を削っていきます。
陶器鉢にしのぎを施すと一気にエレガントは表情となります。
以前「しのぎを入れていて、最後の一本で幅が合わないなんてことはないんですか?」
という質問をとある作家さんにしてことがあります。
しのぎは鉢に一周ぐるっと施されることが多いですが、
作家さん曰く「よく見ると綺麗に仕上げるために最後の方にしのぎの間隔を調整した後が見れることもありますよ。」とおっしゃっていました。
こんなところに注目してみると作家さんの匠の技を感じることができて面白いかもしれません♪
粉引(こひき)
粉引とは全体に白い化粧土を施した装飾のことです。
「釉薬の白」ではなく土そのものの色で白を表現しています。
化粧土の上からは透明の釉薬を掛けて仕上げることが多いです。
やわらかく温かみのある表情となます。
飛び鉋(とびかんな)
轆轤(ろくろ)で回転させた鉢にカンナのは刃先を当てると、鉢表面に当たった刃先がはじかれて、連続した細かい削り跡が残ります。
作家さんによってこ個性が現れやすい表現でもあります。
近年では飛びカンナとマンガンラスター釉の組み合わせの鉢が人気のようです。
スリップウェア
かつてイギリスで流行した技法で、スポイトで色付きの泥土を鉢に垂らしながら模様を描いていきます。
傾けたり振動を与えたりして泥の流れをそのまま残したような表現で、他の技法にはない幾何学模様を作ることもできます。
刷毛目(はけめ)
刷毛の跡を残しあえてかすれたように白泥などを塗る技法です。
泥を塗る道具としては刷毛の他にシュロや藁なども使われます。
貫入(かんにゅう)
表面の釉薬に細かいヒビを意図的に入れる技法です。
素地に釉薬をかけて焼成すると。素地と釉薬はわずかに収縮します。
この時、素地より釉薬の方がより収縮することによって貫入が入ります。
この収縮率の差が大きすぎても小さすぎても綺麗な貫入は入りません。
まとめ
今回は陶器鉢に用いられることが多い「釉薬」と「装飾」について紹介してみました。
この記事を読んだ上で自分が持っている鉢や気になっている鉢を観察してみましょう。
きっと今までよりも作品の背景や作家さんの工夫の跡が見つけれれて、より愛着も湧いてくると思います。
今回紹介した技法はほんの一部で基本的なものです。
皆様に素敵な鉢との出会いがありますように♪
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