アボニア アルストニー|うろこ模様の細い枝が茂る小さな塊根植物
基本情報
- 名前:アボニア アルストニー(アナカンプセロス アルストニーとも)
- 学名:Anacampseros quinaria subsp. alstonii(旧名 Anacampseros alstonii、Avonia quinaria subsp. alstonii)
- 科・属:アナカンプセロス科(アボニア属、またはアナカンプセロス属)
- 原産地:南アフリカからナミビア南部にかけての乾燥地
- 生育型:塊根植物(コーデックス)の多年草
- よく育つ時期:春と秋
- 花の時期:初夏〜夏
- 花の色:白〜ピンク
分類が何度か変わっているため、お店やラベルによって名前が違うことがあります。どれも同じ植物です。
特徴と魅力
初めて見ると、「葉っぱはどこ?」と思うかもしれません。
細い枝のように見えるのは、小さな葉が何層にも重なった部分です。その表面を、白っぽくて薄い膜(托葉)がうろこ状に覆っています。松ぼっくりや、ヘビの皮に近い模様です。
色は白みがかった青緑で、光の当たり方によって白っぽくも緑っぽくも見えます。
根元は茶色い皮に包まれた丸い塊根で、そこから枝が四方に広がります。トゲも大きな葉もない地味な植物ですが、近づいて見るほど模様が細かくて、なかなか見飽きません。
成長過程や季節ごとの変化
成長はとてもゆっくりです。何年もかけて根元が太り、枝が少しずつ増えていきます。育った株は、根元が隠れるくらい枝が密になります。
日本では、春と秋が育てやすい時期です。梅雨から真夏は蒸れやすいので注意が必要ですが、夏に完全に止まるとは限りません。株の様子を見ながら管理します。冬は成長がゆっくりになるので、凍らない場所で乾かし気味に過ごさせます。
花は初夏から夏にかけて、枝の先に咲きます。直径2〜3cmの白〜ピンクの花で、小さな株には驚くほど大きく感じます。開いている時間は短く、数時間で閉じてしまうことも多いようです。
育て方
関東以西の平地を想定した目安です。
- 日当たり・置き場所:一年を通して明るい場所に置きます。日光が足りないと枝が間延びするので、春と秋はしっかり当てましょう。真夏は強い日差しで鉢が熱くなりやすいため、遮光して風通しの良い場所に移します。
- 水やり:用土が完全に乾いてから与えます。梅雨から夏、冬は回数を減らします。夏は完全に断水せず、天気と土の乾き具合を見ながら少しずつ与えます。
- 用土:水はけの良い粒状の土を使います。赤玉土、軽石、日向土を混ぜたものが使いやすいです。鉢は株に合った小さめのものを選び、大きすぎる鉢に植えるのは避けます。
- 温度:寒さに弱いので、冬は凍らない室内で管理し、5℃以上を目安にします。夏は温度よりも、蒸れないことを意識します。
- 肥料:あまり必要ありません。与えるなら、春と秋に薄めた液体肥料を少しだけにします。
育てる際の注意点
- 根腐れ:いちばんの失敗原因です。枝が元気に見えても、土の中で根が傷んでいることがあります。夏の蒸れと、冬の水のやりすぎに気をつけます。
- 焦らない:成長が遅い植物なので、早く大きくしようと水や肥料を増やさないことが大切です。
- 植え替え:根を傷めやすいので、2〜3年に1回、涼しい時期に行います。
雑学コラム
名前の「アルストニー」は、南アフリカ北ケープ州の農場管理者で、植物収集家でもあったエドワード・アルストン(1862〜1934)にちなんでいます。彼が送った植物をもとに、1903年に新種として発表されました。
属名の「アナカンプセロス」は、古い時代に「失った愛を取り戻す薬草」を指した名前だと伝わっています。
亜種名のもとになっている「quinaria」は「5つからなる」という意味で、5枚の花びらに由来します。
まとめ
アボニア アルストニーは、派手さはないけれど、近くで見るほど面白い植物です。育つのは遅く、夏の蒸れには気を使いますが、そのぶん枝が増えていく変化がよくわかります。
手のひらに乗る小さな株で、気長に付き合ってみてください。
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