カタフの発根率を上げるうえで最も重要なのが「株」選びです。

もちろん、発根管理自体も大切なのですが、どんなに完璧な管理をしても、そもそも株が終わっていたら発根しません。ですので最初の株選びが重要なのです。今回はカタフを例に挙げて解説しますが他の灌木にも応用が利く内容となっていますので、是非ポイントを抑えて発根率を上げていきましょう！

 

こんなカタフは選ぶな①｜軽い

新鮮さのバロメーターのひとつが重量です。灌木は抜き苗にされて時間が経つほど水分が蒸発して軽くなっていきます。水分が完全に蒸発してしまえば、やがてただの枯れ木になります。カタフは水分が飛んでも見た目があまり変わらない株もありますので重量感は重要です。初めてカタフを触るという方には分かりずらいかもしれませんが、感覚的に説明するなら「命の重さ」です。水分が蒸発していた場合、大株になるほど見た目と重さのギャップがあるので分かりやすいかもしれません。手乗りサイズの小さな株では、そもそもの重量が軽いため分かりにくいこともあると思います。この重さに関してはネット販売などでは確認できない場合もあるのが難点です。そんな時は以下に紹介する4つの要素を見極めてください。

 

こんなカタフは選ぶな②｜枝にシワが入っている

株の水分が抜けていくときに、まず最初に影響が現れるのが、末端の細い枝です。

水分が飛ぶと、枝に対して平行なシワが入ります。末端の枝がシワになっているだけならさほど問題ないですが、白い幹から黒い枝に切り替わる部分の、その太い枝にシワが入っているようなら要注意です。土から抜かれてかなり時間が経っている可能性があります。

ちなみに幹が痩せてくると小さな凹凸（ポチポチっとした盛り上がり）が目立つようになりますので、そこもチェックポイントのひとつです。

 

 

こんなカタフは選ぶな③｜太い枝が折れている

 

枝が折れるとその断面から水分が蒸発しやすくなります。

既に発根済みのカタフなら多少枝が折れても問題なく成長していきますが、それは常に水を吸えているから。つまり蒸発するより多くの水を吸い上げることが出来ているから

ただし抜き苗の場合、発根するまでは水を吸えないわけですから、株自体の水分量はどんどん減ってしまいます。この枝折れ、株自体の鮮度が良く、重量がドッシリしていると意外と見落としがちです。しかし「現時点での鮮度の良さ」と「鮮度落ちの速さ」は無関係です。

カタフの発根管理は長いと2ヶ月以上かかることもありますので「水分が飛びにくい株」というのは発根管理の成功率を上げる上で重要なポイントのひとつです。

 

こんなカタフは選ぶな④｜表皮にツヤがない

カタフの特長として白い表皮が挙げられますが、鮮度が落ちるにしたがってツヤがなくなってきます。具体的には表皮が黄味を帯びてきます。

そして発根管理中は葉水（幹水？とでも言おうか）をすると思いますが、鮮度の良い株は水を弾くようなツヤがあります。対して鮮度が落ちてくると水を弾かなくなってきます。

もっと分かりやすい見分け方としては、鮮度の良い株は表皮を２～3枚剥くと緑色の木部が透けて見えます。表皮を3枚ほど剥いても緑色が透けて見えない株は期待「薄」です。そんな株はたいていの場合、重量も軽いはずです。この見分け方はお店でやると嫌がられますので避けましょう。あくまでも購入後のチェックとして行ってください。

※BOTANICAL BOX直売所ではお声をかけていただければ実際にお見せいたしますので、その際は遠慮なくお声かけください。

 

こんなカタフは選ぶな⑤｜虫食い穴がある

この「虫食い穴」が一番見落としがちなチェックポイントかもしれません。

私も何度も原因不明の発根管理失敗を経験しましたが、今思うと、この要因は大きかったのかもしれません。虫食い穴と言ってもかなり小さく、はっきりと穴と分からないものが多いです。しばらく発根管理をするうちに、枝の下に木くずが落ちていて初めて気づくというパターンも多いです。事前の見分け方として幹の表皮に黒いかすれた様な深めの傷があった場合は要注意です。虫が潜んでいる可能性があります。

抜き苗状態で体の内側から蝕まれていくわけですから発根管理においては大きなマイナスになります。よくチェックすることを忘れないようにしましょう。

 

以上が買ってはいけないカタフの特長5つです。

カタフの発根管理に苦手意識を持っている方、このような株を避けていただければ発根率は上がるはずです。

是非参考にしてみてくださいね！