【実生の魅力】さあ、実生を始めよう!【難易度別おすすめ品種も紹介】
アガベ、塊根、灌木…いろんなジャンルの植物がありますが、
そんな植物たちを種から育てたことはありますか?
さて、今回の記事はそんな『実生』について紹介していきたいと思います。
「そもそも実生とは何か」「実生の魅力は」「実生の始め方」など、
最後には「実生難易度別、おすすめの品種」も紹介しています。!
実生に興味がある方、興味はあるけど今ひとつ踏み出せていない方。
そんな方には是非お勧めの記事です。
また実生を始めたものの上手くいかない、といった方にもヒントとなるような内容となっています。
早速この記事を読んで楽しい実生ライフを初めましょう!
そもそも実生って?
実生とは植物を種から育てることです。
『実生』と書いて(みしょう)と読みます。
実生株と言ったら「種から育てられた植物」ということです。
その場合、基本的には日本国内で育ったものという認識でOKです。
(海外実生や現地実生と言ったら海外で実生された植物ということです。)
ちなみに海外の自生地から採ってきた植物のことを現地球(げんちきゅう)と言います。
実生の魅力①|とにかく楽しい!
実生はとにかく楽しいです。
種から育てることで日々変化していく姿が楽しめます。
見慣れた植物でも「幼苗(ようびょう)の頃はこんな姿をしていたんだ!」なんて発見もあったりします。
まるで小学校でアサガオを育てた日のワクワクが蘇ってくるようです♪
はじめは上手くいかないかもしれませんが、2回3回と回数を重ねていく
ことによって確実に発芽率や成長率が上がっていくのが感じられると思います。
少し実験的な要素があるというのも実生にハマる人が多い理由でもあると思います。
実生の魅了②|自分のレベルに合わせて楽しめる
実生の難易度は植物によって異なります。
アサガオのように簡単にできるものもあれば、発芽させるだけでも至難の業というようなものまであります。
ですので、初心者からベテランまですべての人が楽しめるのが実生の魅力ではないかと思います。
回数を重ねても、必ず反省点は出てきますし時には失敗することもあると思います。
でも、だからこそ楽しいんです!その試行錯誤を楽しめる人には実生はとてもおすすめです。
植物ごとのクセを理解することで実生はさらに楽しくなっていきますし、確実にレベルアップしていけます。
実生の魅了③|リーズナブル!
実生なら既に成長した株を買うより断然安く購入することができます。
塊根植物や灌木(かんぼく)類は成長がとても遅く、子株の場合でもかなり高価なものが多いですよね。
そうすると、なかなか気軽には購入できないということもあると思います。
しかし種なら成長した株の1/100の以下の価格で入手することもできます。
特に、たくさんの種類の植物を育てたいと思っている方にとっては魅力的ではないでしょうか。
もちろん蒔いた種全てが上手く成長してくれるわけではありませんが、それを考慮してもかなりお買い得です。
実生の魅了④|愛着が湧く
種から育てることで、より愛着が湧くというのも実生の魅力です。
言ってしまえば子供同然。
その植物が誕生した瞬間から知っているわけですから、立派に育ってくれた時の喜びもひとしおです。
成長する過程で多少不格好になったっていいんです。
そこにこれまで育ててきたストーリーが詰まっているのです。
むしろそこに愛着が生まれ、愛おしさを感じるのです。
均整のとれた美しさよりも、その株にしかない個性やクセ。全部ひっくるめて実生株の魅力です。
逆にアガベなんかでは、とんでもないポテンシャルの株が出現することもあるので、どっちに転んでも面白いです。
実生の魅了⑤|日本の環境に順応しやすく丈夫になる
日本国内で実生された植物は現地球に比べて丈夫です。
海外と日本では当然ですが気候が違います。季節のサイクル、気温、湿度、、、。
現地球(輸入株)は長年自生地で育ってきたわけですから、日本の気候に順応するのに時間がかかります。
その順応するまでの期間にコンディションを崩してしまい、最悪死んでしまうこともあります。
パキポディウムの一部の現地球などが難しいと言われるのはこのためです。
一方、実生株は生まれたときから日本育ち。
発芽直後の貧弱な時期さえ乗り越えてしまえば、どんどん日本の環境に順応していきます。
ですので、高温による蒸れや根腐れ、冬の寒さなども、現地球に比べて耐性が高く管理しやすいことが多いです。
さあ実生を始めよう
ここからは具体的な実生の手順について解説していきます。
最低限必要な道具をそろえるだけなら1000円もかからないので気軽に始めることができると思います。
①準備するもの
まず、最低限必要なもの<4つ>から紹介します。
・植物の種(入手方法は次項)
これがなくちゃ始まらない!育てたい植物の種を用意します。
・鉢
そこまで大きな鉢は必要ありません。目安としては3号くらいの鉢であれば十分です。
(100円ショップのものでも十分です)
・腰水用のトレー
海外植物の多くの場合、腰水管理が必要です。
腰水とは鉢の下部を水に浸したまま管理することです。
そうすることで常に湿潤な状態を保つことができるので発芽率がUPします。
大きさの目安は鉢より大きければOK。たくさん鉢を並べるならそれに合わせた大きさを選んでください。
高さに関しては鉢の高さより低いもを選んでください。
鉢より高さのあるものだと、管理しにくいですし、風も通りにくくなってしまうので種子が
カビやすくなります。
(これも100円ショップでOK)
・土
カビにくく排水性の良いものを選んでください。
何を選んだらよいか分からないという方はサボテンの用土を選ぶと良いです。
自分で作る場合は赤玉土と日向土を5:5で配合したものがオススメです。
この4つさえあれば実生は始められます。
あると便利なものとしては
・殺菌剤
・栄養剤
・霧吹き
・ピンセット
・サーキューレーター
・育成ライト
などがあります。
②種を入手しよう
種の入手方法は複数ありますが、初めての方には国内の「種専門の通販店」がおすすめです。
海外から輸入する方法や、フリマ・オークションサイトで購入する方法もあります。
しかし、発芽率が低かったり品種違いといったリスクは高くなります。
発芽率は保管状態にも左右されるので、やはり国内の業者から購入する方法がおすすめです。
③種を蒔こう(手順はしっかり確認!)
準備するものが揃ったら早速種を蒔いていこう!
…と言いたいところなのですが、まずは手順や時期をしっかり確認してからにしましょう。
具体的な方法は割愛しますが『○○(植物名) 実生』で検索すれば、たくさんの人がやり方を解説してくれています。
注意してほしいのは種を蒔く時期です。各植物に適期があるので、実生初心者の方はそれに沿いましょう。
適温であれば発芽自体は簡単なのですが、その後の管理が難しくなってしまいます。
初めて実生する品種であれば一度に同じ方法で蒔かずに、用土や置き場所など、
それぞれ条件を変えて蒔いてあげると上手くいかなかった時のリスク分散になります。
④愛情たっぷりに育てよう
種を蒔いたらあとは愛情たっぷりに育てましょう。
発芽後は日々の観察が重要です。
発芽直後の苗はとても繊細で、調子を崩し始めると、そこから一気にダメになってしまうことも。
腰水が干上がってしまったり、直射日光にさらしてしまったり
ちょっとしたことで力尽きてしまうことが少なくありません。
発芽からしばらくたって、その植物らしい特徴が出始めたあたりから安定してくるので
それまではよく観察して植物の状態に気を配りましょう。
難易度別|実生おすすめ品種
実生の魅力は自分のレベルに合わせて楽しめるところ。
一つの品種のプロフェッショナルを目指すのも楽しいですし、いろんな品種に挑戦するのの楽しいです。
ここでは、難易度別におすすめ品種を紹介していきます。
是非自分のレベルに合った品種でチャレンジしてみてください!
実生初心者におすすめの種
初めて実生をする方におすすめなのが
・パキポディウム‐グラキリス
・アガベ(ホリダorオテロイ)
・アデニウム(オベスムorアラビカム)
といった品種です。
蒔いて放置すれば大体が発芽してくれます。
種の流通量も多く、発芽率は平均して8割ほどです。
国内で実生株が多く出回っている品種に関しては、それだけ発芽率も高く育成しやすいということです。
種の値段もリーズナブルですので、実生初心者の方はここら辺の品種から始めるのがおすすめです。
実生中級者におすすめの種
実生中級者にお勧めの品種は
・亀甲竜
・ユーフォルビア・オベサ
・パキポディウム‐エビスワライ
・センナ‐メリディオナリス
・ボスウェリア‐ネグレクタ
といった品種です。
亀甲竜、オベサは発芽率はまあまあ高いですが、発芽後の管理で徒長させてしまったり、
なかなか大きくならないといった難しさもある品種です。
エビスワライや灌木系の発芽率は体感的には5割ほどでしょうか。
ここら辺から種自体のポテンシャルにかなり左右される部分もでてきます。
また発芽率が低い品種に関してはカビが発生しやすいものも多いので細かい管理やちょっとしたコツが必要になってきます。
実生上級者におすすめの種
・オペルクリカリア‐パキプス
言わずと知れた塊根植物の王様。
硬い殻に覆われた種は蒔く前には処理が必要です。
まず発芽率がとても低く、その発芽率は10/1とも言われています。
自身の経験からしてもあながち間違っていない数字だと思います。
パキプスに限らず、硬殻系の種は難易度が高い印象です。
そして成長もとてもゆっくりです。実生2~3年の子株でも鉛筆ほどの太さにしかならず、値段も王様級!
種も1粒500円ほどしますのでかなり上級者向けの品種となっています。
流通量も少なく入手難易度もかなり高いですが、実生にハマったらな一度は挑戦して欲しい品種です。
まとめ
今回の記事は実生について解説してきました。
実生の魅力、伝わったでしょうか…?
少しでも気になった方は是非、実際にやってみてください!
これまで育てたことがある植物でも、実生してみて初めて発見できる魅力もたくさんあります。
本記事でも紹介した通り、実生は初めての方でも気軽にリーズナブルに始めることができるのが魅力です。
すでに実生をやったことがある方でも、レベルアップを目指して今回紹介した品種や新しい品種に挑戦してみてください!
今回の記事は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。
もし記事の中で分からないことがあったり、実生についての疑問がありましたら
インスタからコメントやメッセージで気軽に質問してくださいね(^^)
では良い実生ライフを!
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